アエロペルー(ペルー).ボーイング727-287(OB-1697).クスコ空港(ペルー)1999 筆者搭乗機 Aeroperú(PL/PLI).Peru.BOEING727-287(OB-1697).Cusco Airport(CUZ/SPZO).Peru.1999 ペルーの首都、リマから、かつてのインカ帝国の首都だったクスコまで搭乗しました。人生初の727でした。既に先進国では退役済みでしたが、南米では現役でした。独特のエンジン音、急な加速と上昇力に感動した記憶があります。 |
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アエロペルー(ペルー).ボーイング727-200(OB-1547).クスコ空港(ペルー)1999 筆者搭乗機 Aeroperú(PL/PLI).Peru.BOEING727-200(OB-1547).Cusco Airport(CUZ/SPZO).Peru.1999 |
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【凡例】 |
アエロペルー Aeroperú(PL/PLI)
アエロペルーは、かつてペルーのリマを拠点としていた航空会社です。ペルー空軍の民間航空部門、SATCO航空として運航していたものを前身として1973年に設立されました。国内線はもちろん、南米各国や、メキシコやマイアミまで乗り入れていました。ペルーのフラッグ・キャリアでしたが、1999年に倒産してしまいました。理由は経済状況が良くなかった事はもちろんですが、もう一つに、「603便墜落事故」があります。
概要を記しますと、これは「1996年10月2日、ピトー管のマスキングテープを剥がし忘れたため、B757-200が海に墜落し70名が亡くなってしまった」という痛ましい事故です。飛行機の速度計はピトー管という細い管で速度を測ります。正面と側面(静圧)の圧力差からベルヌーイの式を利用して速度を割り出すもので、飛行機にとって非常に大切な機器です。事故機は離陸前機体の洗浄をしましたが、その際、この大切なピトー管に水が入らないようにテープで保護したのですが、洗浄終了後それを剥がし忘れてしまったのです。それだけでなく、離陸前の点検時でもそれを見逃したまま出発してしまいました。不運が重なってしまったのが、出発が午前0時40分つまり真夜中だったので機体や空港の位置、高度を目視することもできない状況でした。速度計が作動しないので、どんなに加速しても機器は異常を示します。離陸直後から「速度超過」「傾き」など明らかに異常な警報が鳴り響く中、管制官も正しい高度・速度を報告することが出来ず、計器は高度3000mを示していても実際には300mを切っていたそうです。結果としてすぐに左主翼が海面に接触し、機体が海面に激突・・・という惨事でした。
2007年にも佐賀空港で、中華航空B737機が、離陸時オーバーランして地上設備を破壊したという事故がありましたが、その時も夜間保管時、ピトー管にカバーをかけ忘れたため虫が入り機器が異常を示した、ということでした。
さて、私はリマからクスコまでの国内線に乗りました。アメリカン航空でペルーに入り、国内を回ったあと、クスコに飛ぼうとドキドキわくわくしながらリマ空港に行くと、自分は絵本の中でしか見た記憶がないB727がドーンと鎮座していました。話には聞いていたものの、お尻の下から出入りするボーディング。古き良き時代を感じる、非ワイドボディの狭い機内。かなりいい音(!)を奏でるバイパス比の低いエンジン。気分は大井川鉄道でSLに乗っている感じでした。二度と体験できないとなると寂しい限りです。