バティック・エア・マレーシア(マレーシア).ボーイング MAX 8(9M-LRS) 大阪.関西国際空港.2023 |
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大韓航空(韓国). ボーイング MAX 8(HL8349) 大阪.関西国際空港.2023 |
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イースター航空 (韓国).ボーイング737 MAX 8(HL8543).大阪.関西国際空港.2023 |
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企業所有機.ボーイングビジネスジェット ボーイング737 8 MAX BBJ .(VP-CMA).中部国際空港(セントレア).愛知. 2023 |
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【凡例】※全て判明分のみ記載 |
ボーイング 737 MAX 8 Boeing737 MAX 8
ボーイングのジェット旅客機、737シリーズの第4世代です。ボーイング737NGシリーズ(737-600/-700/-800/-900)を置き換える目的で開発された機体で、737NGに搭載されているCFM56エンジンを、より燃費の良いLEAP-1Bエンジンに換装するなど、燃費向上を計っています。全長の違いで、BOING 737 MAX 9や MAX 7やMAX10等も生産・計画されています。
開発のきっかけは、ライバルのエアバスが、2010年12月にもともと評判の良いA320に、さらに燃費の優れた新エンジンを搭載したA320neoをローンチしたことです。エアバスに勝てるよう燃費の良い機体を目指して開発が進みました。737 MAX 8の飛行試験初号機(機体記号「N8701Q」、製造番号「42554」)は2016年1月29日に初飛行しました。初飛行は高度25,000フィート、およそ7620メートル、速度250ノットと時速463キロで巡航しました。初号機は2017年5月16日、マリンド・エア(9M-LRC)へ納入され、5月22日に定期便で運航を開始しています。
B737MAX8は、航空機メーカーとしてボーイングの信頼性と、カタログ上の燃費の良さに受注は伸び、737-8が、2016年1月29日に初飛行、2017年3月9日に形式照明を取得しました。納入開始は2017年5月。順調に運航と納入が進んでいましたが・・・。
転機が起こったのが、就航してから17か月後の2018年10月29日、インドネシアのジャワ海でライオン・エア610便(ボーイング737MAX-8、PK-LQP)が離陸後約10分で墜落、乗客乗員189名全員がなくなってしまった事故です。そして悲劇は続きます。610便の事故から5ヶ月半後の2019年3月10日、エチオピアのアディスアベバ、ボレ国際空港より離陸したエチオピア航空302便(ボーイング737MAX-8、ET-AVJ)が、離陸後約6分で墜落し、乗客乗員157名全員が無くなってしまいました。そして米連邦航空局(FAA)による全世界的飛行停止、形式証明取り消し、となりました。その後、操縦系統改修及び安全再認証などを経て、現在に至ります。
直接の不具合の原因は、737MAXシリーズで新たに追加された操縦特性向上システム (MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System)といわれています。しかし、この737MAXのトラブルの本質は、もっと深いところにあります。小難しい技術論を語るときりがないのですが、私なりに簡単にまとめると、「機体設計は古いのに、(燃費の良い)新しい(直径が大きな)エンジンを無理やりつけたため、機体のバランスが悪くなった。」「そのバランスの悪い不具合を操縦ソフトウェア回収だけで済ませそうとした」「この事実をパイロットに周知せず、訓練も(iPadでちょこっと行うだけのような)簡単なものしか課さなかった」のでは、と考えます。そもそも、B737は設計が古いので、地上とのクリアランスに余裕がありません。そこにより巨大なLEAP-1エンジンを無理やり取り付けたため、地面とのクリアランスを確保するためエンジンナセルを上方および前方に移動させています。LEAP-1Bのファン直径は、68.1 in (173 cm)もあり、前モデルの737NGシリーズで採用のCFM56-7Bファン径61.8 in (157 cm)より16cmも大きくなっています。一般的に旅客機は、地面とエンジンのクリアランスを16.9 in (42.9 cm)以上とらないといけない規定がありますので、このエンジンを装着するためには、主翼前方、上方にエンジンを移動するしかない、という訳です。旅客機設計において、エンジン位置が変わるというのは、天地がひっくり返るほど大変なことだと素人でもわかるのですが・・・・。
一応、改修後は、アメリカ連邦航空局FAAも許可を出しましたし、ボーイングも安全と言っているので、それを信じるしかないな、と思っていますが・・・。